■□ダイオキシンの現状
タイオキシン(PCDD)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)及コプラナーPCB(Co-PCB)からなる
ダイオキシン類は毒性が特に強く先進諸国を中心にして広範囲な生活環境を汚染しています。

最近の研究によりダイオキシン類は強い胎児毒性
(精子数減少、免疫抑制、生殖器奇形、精神障害)
子宮内膜発症性があることが判明したため1998年5月にWHO
(世界保健機関)
ダイオキシンの安全な摂取量である耐容一日摂取量
(TDI)の基準値を
10pgTEQ/kg/日から1〜4pgTEQ/kg/日に変更しました。

これを受けて、
我が国でも1999年6月、WHOに準じて
10pgTEQ/kg/日から4pgTEQ/kg/日に基準値が改正されました。

環境汚染の現状
全国の住宅地域大気中のダイオキシン類汚染濃度は諸外国よりも数倍〜十数倍も高く、
最近の調査では4〜5pgTEQよりも高い濃度の報告値があり、数十倍も高濃度汚染も考えられます。
黒松を指標とした大気汚染評価では高人口密度で産業活動の活発な大都市地域ほど高く、
明らかに都市型汚染になっています。

人体汚染と母乳汚染の問題点
人体汚染も注意すべきでものですが母乳経由の乳児のダイオキシン類は
大変問題となる濃度となっています。各地域における乳児の平均一日摂取量は
体重1キロあたり67.1〜149pgTEQ/kg/日となり耐容一日摂取量
(TDI)
17〜37倍も超過しております。

人体汚染の低減化(排出)法
ダイオキシン類摂取量の81.5%は食事経由の物であり大気汚染、河川汚染による魚介類、
葉菜類の汚染の少ないものを適切に選ぶことが重要でありますが
今日の流通システムの中では大変難しいことです。
有機栽培、無農薬でもこれらは避けることが出来ません。

ではどのようにしたら良いのでしょうか。
日常の食事の中でダイオキシン類の排出を促進する食材を積極的に取り入れ
これらにより摂取量をかなり減らすことが重要になります。

食物繊維や葉緑素は腸、肝臓等に蓄積されたダイオキシン類を吸着して
対外への排泄を促進させる効果があると言われております。

適切に食物繊維(シイタケ、アガリスク、きのこ類)や葉緑素(粉茶、緑茶、海草)は
排出促進効果があり、日常の食事に積極的に取り入れていくことが重要でしょう。

■□魚介類からの環境ホルモン作用懸念 H12.06.03 朝日新聞
人体汚染 国の調査必要
ポリ塩化ビフェニール(PCB)に合まれるコプラナーPCBが咋年、
ダイオキシンとしての規制を受けるようになり、PCB間題は新たな局面を迎えている。
コプラナーPCBは、魚介類に合まれるダイオキシンの大きな比重を占めるからだ。
製造中止から約30年。なお環境汚染は続いており、
河川や海のPCBは魚介類を経由しで人体汚染を摺いている。
(くらし編集部・杉本裕明、佐藤陽)

岐阜市の住宅地を流れる荒田川。川の泥から昨年、高濃度のPCBが検出された。
岐阜県の調査では4カ所で690〜11PPm。国の暫定除去基準
(10ppm)を大きく上回った。
実は、県は1973年に汚染を確認していながら、ほとんど対策をとらずにきた。
「河川改修計画があり、除去はそれと並行でやった方が効率的と判断した」というのが理由だ。

県は「川の水は飲料水に使っていないし、魚のPCB濃度も国の暫定規制値の3PPmを下回っていた」
とするが、住民は「せめて危険を知らせる看板を立てるくらいの配慮がなかったのか」と反発する。

大阪府立公衆衛生研究所は、食品に合まれるPCBを測り、
平均的な食事からの成人の摂取量を調べている。
全体に減少傾向にはあるが、80年代と90年代の前半に大きなピークがあり、
ジグザグの線を描いている。
これと、環境庁が調べた大阪湾と東京湾の魚のPCB濃度の推移を重ね合わせると、
よく似た変化を示している。

同研究所の堀伸二郎食品化学課長は
「なぜジグザグになったのかはっきりしない。90年代後半の横ばいは、
微量汚染が続くことを示している」と話す。昨年、国はPCBに含まれたり、
燃焼で発生するコプラナーPCBをダイオキシン類に加えることを決めた。
ダイオキシンにはより厳しい規制値が設定されている。
国の調査では、成人の体重1キロ1日当たりのダイオキシン摂取量は
約2.0ピコグラム
(ピコは一兆分の一)で、半分はコプラナーPCBガ占め、
その多くは魚からの摂取による。

宮田秀明摂南大教授らの調査では、ダイオキシン中のコプラナーPCBの割合は、
コノシロなど沿岸魚で約9割、ヒラメ、タイなどの近海魚は約7割。
汚染源に近い海域の魚ほど高かった。
魚介類に含まれるコプラナーPCBの約7割がPCB製品に由来していたとの
益永茂樹・横浜国立大教授の調査結果もある。
欧州数カ国では、乳製品にダイオキシンの基準を設定、高くなれば出荷停止などをする制度がある。
日本でも1月に施行されたダイオキシン対策法で、魚などの安全基準の設定を検討した。
だが「市場がパニックになる」と政府が猛反対、原案から削除された。

魚介類のPCB基準は、慢性毒性など皆の知見で3ppmと定められているが、
ある研究者がダイオキシンの観点から評価したところ、
一ケタ近く甘い値であることがわかったという。
日本にはPCBの混入した食用油で起きたカネミ油症事件という教訓がある。
国には、先にニワトリが汚染される事件が起きでいたのに油症の発生を予防できなかったり、
患者認定をめぐって患者と対立を繰り返したりと、反省点は多い。
増田義人・第一薬科大教授
(環境化学)
「いまも人はかなりの量のPCBを取り込んでいるといえる。環境ホルモン作用による、
子供など次世代への影響が心配だ。国は率先して総合的な調査・研究に取り組んでほしい」
と話している。